2005年8月 9日
幽遊白書FOREVERやりこんでみました
今回は辛口にいってみます。 (脱線が多かったのでリンクでポップアップを入れてみました↓)
今までの幽白ゲームでもそうだったんですが、今回のゲームでも致命的だったのは原作者の神経がいきわたっていないことにあります。
アニメのころからそうなんですけれど、原作者、富樫義弘氏は原作以外にはノータッチの姿勢を示し続けていらっしゃる。これは、「アニメにはアニメなりの表現があるから」と語ってらっしゃるが、本名で長者番付に載ってしまったぐらいのお方なのだから、要は「めんどくさい」のだと思う。
こうなると、アニメ製作・ゲーム製作のチームは困ってしまう。原作者のフリをして、あたかも原作に近いように振舞わなければならない。今回のも うまく振舞っているつもりなのだろうけれど、ひどく粗が見うけられます。
とゆーか、原作を飛び越えようとして墜落してます。
●壊せない原作
「ひたむきな愛」でも話しましたが、原作を超えて再現するには、世界を拡張するか、壊して再構成するかしかない。しかしながら、いずれも原作者不在でできない。
できない以上は何か新しい要素を用意するしかないのです。
アニメのときは、原作で省略された時間軸(この飛ばし方が想像のちょっと斜め上的で大好きでした)を補うことで保っていたように思えます。
●隠しキャラ遊びすぎ
遊びたい気持ちは十分わかるけれども、隠しキャラとして遊びすぎたんじゃないかな。ジョルジュ早乙女、つ?のも声優のアドリブから生まれたキャラらしいんですが、
その遊びの延長をうまく利用してくれた気がします。
しかし、原作者不在の中、原作の中で遊べない以上、アニメの遊びの延長をやらざるを得なかったのかな?とも穿っちゃいます。アニメスタッフのオシでこれが実現したというのなら、「アニメの精神が受け継がれた」という意味で好感は持てるのでしょうけれども。
●かってな定義
「自己流オラオラ霊丸」「ブチ切れ奥義」・・・勘弁してくれって思いました。
原作者なら、もっとマシなものか、そのままの名前「超霊丸」で出してくるとおもうんですが。開発途上、コードネームで呼ばれていた必殺技呼称がそのまま正式名称になったような、そんな「自己流」に走りすぎた感があります。
原作者の神経をいきわたらせられなかったコトが露呈した、興ざめな部分です。
普通、格闘ゲーム必殺技のいいところってのは、技の名前を見た瞬間、「見てみたい!」「出してみたい!」って期待させてくれるネーミングなのであって、名前で興ざめさせられた後に、想像通りの技が出されるとぜんぜん面白みがないのです。
原作者とは関係がないですが、ゲームシステムでも粗が見えます。
●使えないジャンプ技
ジャンプ処理を失敗したマリオゲーのような感じで、ジャンプとして成り立ってない。相手を飛び越えただけで何がうれしいのだろう?(主に飛び道具の回避にしか使えない?)
格闘ゲームと名乗るならば、相手の頭上に飛び込んでからの連続技や、相手の真後ろに「めくって」飛び込み、相手の防御を無効にする「めくり」ができて当たり前なのに、それすらできない。(感覚的にさせてくれない?)今日の格闘ゲームでは、飛距離をプレイヤーで調節できるものをジャンプというものなんです。
開発チームには格闘ゲーマーがいてくれたのでしょうか?チームの内部レビューで指摘がなかったわけでもないでしょうけれど、この程度のジャンプ処理でOKを出した総指揮者の技量が信じられない。何のゴールをもってしてこのジャンプもどきを定義したというのだろう?意図が読めずに苦しみます。
●ガード一辺倒、下段攻撃一切なし
上段ガードしたら足元がお留守で、足払いされて引き倒されて不利な状況へ持っていかれる・・・。通常、ガードにはリスクが伴うものです。
そういった、「ガード不完全」な要素こそが、「相手の攻撃を読んでガードを選択」する、じゃんけん的な要素を生むのですが、今回のは、上段攻撃、上段ガードのみ。これじゃあ、じゃんけんで「ぐー」でも「ぱー」でも「ちょき」でもない「ドリル」を出されてるようなもので、ガードされちゃもう手も足も出せません。いわゆる「ガード安定」ってやつです。
しかもガードに唯一勝てる「投げ」技すらもないから、ガードしちゃえばこっちのもの。ガードしたことへのリスクがあまりにも低いのです。
一応、ガード不安定となるように、ガードを無効化する「ガードクラッシュ」攻撃やガードの上から一定数以上攻撃されると「ガードクラッシュ」が起きるようにはなってますが、ガードクラッシュ攻撃は隙が多いから、読まれたら反撃されるし、ガードの上から数多く攻撃を出すはめにされると、攻撃側もつまらないし攻撃も単調になりがち。
ガード鉄壁がゆえに、ゲームが面白くなくなってしまってるのです。
●超必殺技(一撃必殺技)の安易化
ワンストロークの超必殺技なんて久々に見ました。超必殺技にはリスクを持たせることがセオリーであり、
・難易度の高いコマンド入力「方向キーを半周回して+αとか)
・発動条件の厳密化(体力が1/4以下「かつ」怒りゲージMAXなど)
といった「なかなかできるものではない」条件がオンパレードとなる。だからこそ発動したときこそ「うれしい」「すごい」のです。体力が減って、簡単に溜まる霊力ゲージが満タンになった時点で、ワンストロークで、相手の体力無関係に決着がつく・・・。そんなんありか!? 吏将相手の桑ちゃんじゃあるまいて。。。
原作には、桑ちゃんのような「かっこいい」一発逆転ってのが多いので、それを再現したつもりなのだと思います。でも、幽白は一発逆転だけが華じゃないんだよお。「かっこいい」一発逆転が華なんだよお。ゲームシステムからは、「かっこよさ」が見出せない・・。
対人同士でやってると一発逆転の瞬間、「かっこいい」どころか、友情破壊の「気まずさ」が漂い始めます・・・。
発動のリスクが小さいために、やられた側も味わえるような「うわっ!や・ら・れ・た?!」という「かっこよさ」がないのです。
●やり込み要素の魅力不足
RPGって自分で装備をカスタマイズして強くしてっていう、やりこみ要素があるから魅力的なんです。あれほど硬かったメタルスライムもイジメ甲斐があるというものです。超強力なボスをたった数ターンで倒して達成感を味わえるってものです。
キャラを育てる。装備を集める。そういった楽しみがゲームの尾を、余韻をいい意味で引っ張ってきてくれるのです。
でも、今回の幽白FOREVERは、フィギュア集めやキャラ修行にあまり魅力を感じません。あ、増えてる、あっそー。という印象でした。
キャラ修行も、本来開発チーム側が調整すべき難易度調整パラメータがプレイヤー側でいじれるようになった程度の印象であって、「成長したら新しい必殺技が増える」とか、「隠しアイテムが手に入る」といったドキドキワクワク要素がないのです。
面白味がないので、わざわざ自分で「防御しない」自分ルールなんかを作って、「リミッター」をかけることで面白みを作ってみるのですが、そこでも面白味が出てこない(やりこみ要素が作りこめられてない)。なんだか、自分で自分をいじめてるかのよーな悲しさがあります。
うーん、魅力がない。
これらの問題点、総括してあえて言うなら、ゲームの高難易度化、原作からの崩壊を避けたいために、そういった要素を封印としたいということなのでしょうか?
しかし、それら要素をあえて捨て去った後のゲームというのは格闘ゲームとして成り立たない。はっきりいって、今回の作品はビデオ鑑賞ゲームでしかないのです。
格闘ゲームを知らないファン向けに、格闘の「か」の字を知ってもらうためにインストラクションとして作ったゲームという匂いがプンプンしてならない。それとも、よほど手を抜いたか、ですね。(本格的なポリゴン格闘は時間積分が入ってくるので結構計算式がしんどい)
フルボイスという要素がほかの要素を食ってしまった様な気もします。(容量的に)
最後に言っておきますが、現時点で最新のゲーム機PS2に幽白ゲームが出てくれて、内藤は万々歳なのです。これほどうれしいことはない。よくぞこの企画を実現してくださったと感謝しています。
■2005/09/01追記 細かい話になりますが、幽遊白書FOREVER公式サイトでは「超必殺霊妖撃」「一撃必殺ぶちギレ奥義」共に発動条件に霊妖力ゲージについての記述があり、現在のゲーム仕様ではない、さらにシビアな発動条件であると書かれています。これはこの記述が登場した発売前の段階での設定であり、現在のゲームではこれら超必殺技に霊妖力は全く絡んでこないところ見ると、初期設計段階から比べるとゲームの軟易化を "急遽" すすめたのだと読めてとれます。(あら探し大天才)
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投稿者:内藤瞑也
投稿日:2005年8月10日 9:17 PM
yuanqiao様
早速のコメントありがとうございます。
そう、狙ってか知らずかのスキマをファン同士がうまくつないでいくと、幽遊白書っておもしろくなるんですよね。
いいタイミングでインターネットが普及してくれたなって思います。
夜にに更新したはずなのに、午前中に「はてなアンテナ」にキャッチされてしまいました。あら?でもよかったです。
この中に幽遊白書の商品はあるのかな
自動的に幽遊白書のサイトが見えるといいのだけれど
コメントの投稿をお願いします。幽白ファンだらけ
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投稿者:yuanqiao
投稿日:2005年8月10日 8:20 PM
内藤様、更新ですね!嬉しいです。ようやくあの頑迷な「はてなアンテナ」も更新をキャッチしてくれるようになりました!
今回の分析も凄いですね。
…確かに冨樫先生はあれだけの作品を書いていながら、執着が薄いというか何といいますか…
そうしたこともあって『幽白』はいまだにファンサイトが絶えないのでしょうが…
お蔭で私も内藤様とお会いできましたし(笑)。
ゲームはもっといいものが作れると思っています。次回作に期待ですね。